DXの一つの大きなテーマである。ペーパレスについて3回に渡って考えていきたいと思います。
ペーパーレスに取り組む目的
ペーパーレスに取り組むと、それ自体が目的のようになるケースもありますが、本来であればペーパーレスは、働き方改革を実現するための手段の一つです。
その目的には以下のようなものがあります。
① 生産力を高め長時間労働を削減するため
ペーパーレスは業務効率化のために行われます。例えば稟議書や決裁書の回覧や押印など、これまで紙と人の手で処理していた作業を電子化することで、業務時間・工数の削減をはかるものです。人的リソースにも時間にも限りがあります。これまでは長時間労働でカバーしていた無駄な作業は、結果的に従業員の疲弊につながっていました。
ペーパーレスによって業務効率化を行うことで、生産性を向上させ、多すぎた労働時間を減らすことは大きな目的の1つです。
② 多様な働き方を実現するため
コロナ禍で、オフィスへの出勤がリスクとなりテレワークを導入する企業も増えました。今後もパンデミックや自然災害などにおける事業継続への対応、オフィスにかけるコスト削減のため、在宅勤務をはじめとしたテレワークやフリーアドレスの導入は続くとみられています。
育児や介護、配偶者の転勤などによって、フルタイム出社ができなくなり退職を余儀なくされていた人材は多いです。こうした方たちをテレワークで登用する道が開けることで、多様な働き方を実現できます。それだけではありません。
いち早くテレワークを実現した企業は、ダイバーシティ経営を推進する先進的な企業として優秀な人材を確保することにもつながります。