DX(ペーパレスのデメリット)3

3)ペーパーレスのデメリット

もちろん、ペーパーレスはメリットだけではありません。以下のようなデメリットも指摘されています。

 

①導入コストがかかる

ペーパーレスの導入は、長期的に見るとコスト削減になるメリットがあります。

しかし、導入初期は必要なシステムをそろえたり、PCやモニタ、タブレットなどの電子機器を社員に配布するなど、準備が必要です。こうした機器があらかじめ導入されていない場合、初期コストが用意できないとペーパーレス化を見送る企業は少なくありません。

 

また、これまで紙だった資料を、文書スキャンしてドキュメント名を付け、適切なフォルダに保管するなどの手間もかかります。新しいシステムを社員のみならず経営層も使えるように、担当者からの研修も必要になることもあるでしょう。保管文書が膨大なところほどペーパーレス化のメリットも大きいのですが、導入コストや工数を考えると「現状維持」になりがちな要因です。

 

②作業効率の低下

テレワークでペーパーレスを推進する場合、社員に配布するノートPCで書類を閲覧しつつ作業は、画面スペースが狭くてやりづらく、結果的に効率を低下させてしまうことがあります。別にモニターやタブレットを用意したりしても、例えば大きなサイズの資料の場合は全体像を見渡せなかったり、量の多い資料の場合は元のページと照らし合わせて確認することができなかったりします。

Kindleのように目に優しい画面などの開発は進んでいますが、例えば校正・校閲作業などは紙に出力して行う方が、結果的には効率的だという場合も。紙の資料であれば、自分の理解のためにメモ・書き込みを行うことで、その場でも、後から資料を見直した時でも理解を助けることにつながります。
しかし、ペーパーレスでメモ書きは難しいのが現状です。そのため、デザインや出版などのクリエイティブ業務では、ペーパーレスはなじまないという声もあります。全ての作業において「ペーパーレスの方が楽だ」という状況になるためには、まだまだ技術開発が必要です。そのため、ペーパーレスを一気に進めるのではなく、必要な部分から導入している企業も多いです。

③ペーパーレスの可否の見極めが難しい

まだ全ての文書において電子保存が認められていません。契約書など原本保管が必要なものも残っています。電子帳簿保存法の対象文書のように、電子データの保存可否がはっきりわかる基準がない文書もあります。そうなると、自社で紙の文書を廃棄して良いかどうかの判断が必要です。結果的には「不安なので紙で保管する」となりがちな要因でもあり、どこかで管理者が線引きする必要があるでしょう。

④セキュリティリスクの心配

ペーパーレス化する企業では、クラウドサービスの利用が活発に行われています。クラウドは、自前でサーバーを用意する必要がなく、料金もサブスクリプション方式なので、初期コストを削減できるメリットが魅力です。情報を他社に預けることになるので、サービス提供事業者のセキュリティ対策などを確認するようにしましょう。

 

Digital Workstyle College. 様引用