1. 会計事務所の悲鳴:マイナポータル連携の「壁」
「データが自動で飛んでくる」はずのマイナポータル連携。しかし、現場で起きているのはそうではありません。現実は暗証番号忘れの対応に追われ、申告前に時間が溶ける毎日。一部非対応の金融機関も残るため、結局はデジタルと紙の二重管理で現場はさらに混乱しています。最後は原本と照合しないと安心できない。DXどころか、むしろ手間が増えているのが3月のリアルな姿です。

2. 一般企業の混乱:マイナ保険証と「資格確認書」の狭間で
一般企業の総務・経理でも、改正マイナンバー法に伴う「新しいアナログ業務」が発生しています。
4月の入社準備が本格化する中、現場では「保険証が使えない」という従業員の不安対応に追われています。カードの有無で管理フローが分かれるため、DXどころか二重の手間ばかりが膨らんでいるのが実情です。効率化の前に、まずはこの煩雑な二重管理を捌き切るだけで精一杯、というのが今の総務の偽らざる姿でしょう。

3. 「公金受取口座」への過度な期待は禁物
還付が早まるとはいえ、現場では「本当に登録されているか」の確認が新たな手間になっています。本人の思い込みや古い口座放置による振込エラーのリスクを考えると、結局は確認作業というタスクが増えただけ。手放しで効率化と呼ぶには、まだ不安と隣り合わせなのが現状です。
DXは「魔法」ではなく「泥臭い積み重ね」
2026年3月、私たちは改正マイナンバー法の恩恵を100%受けているとは言えません。むしろ、デジタルへの過渡期ゆえの「不便さ」のピークにいます。しかし、この混乱の中で「デジタル化できるか」「どの業務なら自動化が可能か」を選別し続けた事務所・企業だけが、来年の3月、ようやく本当の「DXの果実」を手にできるはずです。今はまず、目の前の申告と決算を無事に終えること。その中で見えた「デジタルの欠陥」こそが、4月以降の業務改善の種になります。
